陥入爪(かんにゅうそう)・巻き爪
陥入爪と巻き爪の違い
陥入爪は、爪の端がくい込んでいる状態のものを言い、巻き爪は爪全体が曲がっている状態を言います。
陥入爪と巻き爪はおなじものの様に思われていますが、実はそれぞれ別のものです。片方だけのことも、巻き爪&陥入爪と両方同時に認める事もあります。
曲がっていても食い込んでいなければ巻き爪だけで、陥入爪ではありません。食い込んでいても曲がっていなければ陥入爪だけで巻き爪ではありません。
このような爪の変形があると、爪の端の部分が皮膚を傷つけて、その部分にばい菌が入り、化膿することで安静にしていても痛くなることがあります。その様な状態を正式にはひょう疽(ひょうそ)と言いますが、一般にはその様な状態を陥入爪ともいいます。このホームページでは一般的なひょう疽も陥入爪に含めて説明します。はじめは、赤く腫れている程度ですが、炎症が長引いたり繰り返したりすると、膿が出て肉芽(にくげ)という盛り上がりが出てきます。
陥入爪や巻き爪が原因でひょう疽になる場合もありますが、普通の爪の形でも爪切りの時に皮膚を傷つけたなどが原因でひょう疽になることもあります。
まとめると
巻き爪:爪が変形して曲がった状態。
巻き爪
陥入爪:爪の端が皮膚に食い込んだ状態。痛くなければ問題無いので、ほとんどがひょう疽になってから来院します。
陥入爪
ひょう疽:爪の端の皮膚が炎症を起こして痛くなった状態。ほとんどが陥入爪を合併するので、ここでは陥入爪に含めます。
ひょう疽
という違いがあります。つまり、ほとんどの陥入爪はひょう疽になってから受診しますし、ひょう疽はほとんどが陥入爪なので、どちらも便宜上陥入爪と呼びます。
陥入爪の原因
陥入爪の多くは爪を深く切りすぎて深爪(ふかづめ)にしてしまったことが原因です。
イラストを挿入予定
深爪をすることにより、爪の角が皮膚に刺さるようになります。皮膚に刺さると傷になり、腫れることにより更に食い込んでくるという悪循環を繰り返します。予防には深爪をしないようにすることが最も大事です。
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深爪以外の原因としては、きつい靴を履いてしまったなども原因となります。学生ではキツいサッカーのスパイクなどを我慢して履き続けて陥入爪になることがよく見られます。
陥入爪の治療
軟膏をつけるだけで治そうとする人がいますが、物理的な原因があるわけですからそれを何らかの方法で取り除くのが一番良い方法です。
局所麻酔をして、当たっている部分の爪を切る方法は即座に良くなります。
自分で治したい場合はテープで当たっている皮膚を引っ張って当たりにくくする方法、コットンやスポンジなどを爪と皮膚の間に入れて当たらなくする方法などがあります。
なんらかの方法で治しても、やはり爪の形やどうしても爪を短くきってしまう几帳面な性格、部活動などでキツい靴を履くなどで繰り返す場合があります。
繰り返す場合には、物理的に爪を細くするフェノール法という手術があります。局所麻酔で日帰りで可能です。普通に歩いて帰宅可能です。痛みもほとんどありません。(大半の患者さんは術後も無痛だったとおっしゃいます。術前の食い込んでいる状態の方が痛いです。)爪が3~5mmほど細くなりますが、もともと食い込んでいた部分を生えなくするだけなので、爪が細くなったことを気にする方はほとんどいらっしゃいません。
フェノール法は簡単な手術ですが、治療が不十分だと再発します。また、やり過ぎると爪が抜けたり変形することがあります。どちらもきちんとした手術をすればほぼおこらない合併症ですが、他院で治療後にその様な状態になっている症例はみかけます。