ホクロ(黒子)

ホクロは最もありふれた皮膚の良性腫瘍です。
体中に1つも無いという人はまずいらっしゃいません。10個程度はあるのが普通です。
ですが、そんなありふれたものだからでしょうか、ホクロをとるととても喜ばれます。
悪いものではないのに、あえてとる・・・そこにはホクロにまつわる今までの色々な悩みがあったのでしょう。

ホクロの治療法

ホクロの治療法は3通りあります。

1.焼灼法

炭酸ガスレーザーや電気メスでホクロを切除します。小さなホクロではこの方法でキレイに治すことが可能です。
切除前のホクロより一回り小さいニキビ跡や水疱瘡のあとの様な傷になります。
白い傷跡になり、自然な形なので目立ちにくいです。2~3mmまでの大きさのホクロには良い適応です。

2.くりぬき縫縮

ホクロをメスで切りとり、その穴を特殊な縫合法で巾着袋のようにキュッと絞めます。
巾着袋の様に、皮膚が波打ちますが、それを細いメスでキレイに形成します。
3~5mmほどの小さなベンツマークや星形の、目立ちにくい傷になります。部位や皮膚の硬さなどによりますが、5~7mmまでのホクロに良い適応です。部位によっては1cm近くの大きさでも可能です。縫い方、絞めかた、その後の形成の仕方でできばえがかなり変わってきますので、熟練のわざとセンスを要します。

3.切除縫合

大きなホクロの場合や小さくても部位によっては切除して縫合する方法が最もキレイに治ります。
場合によっては周囲の皮膚を移動させて縫合するなどの特殊なテクニックや、わざと傷跡をジグザグにする方法なども用います。
何故ジグザグにするかというと、ひきツレの予防の効果や、視覚的に1本の線は人工的で目立つけれども、細かいジグザグは目立ちにくいという効果があるからです。部位、年齢、皮膚の緊張具合などでどの様に縫合するのが良いかは異なってきます。

ホクロはありふれたものなので、たかがホクロの除去と思われがちですが、実はとても奥が深いのです。
キレイにとれて感動して泣いてしまった患者さんや、見違えるように華やかな表情、ファッションになって再診した患者さんetc
そんな患者さんをみると、こちらまで嬉しくなってしまいます。
実はホクロをとるのが大好きなホクロマニアの形成外科医は多いのではないでしょうか?
私もそんなホクロマニアの形成外科医の一人として、ホクロの患者さんをお待ちしています!

ほくろの癌(悪性黒色腫)について

悪性黒色腫という、いわゆるホクロの癌を心配なさる人が多いですが、悪性黒色腫はそれほど多い病気ではありません。日本人の年間推定患者数は1500人~2000人程度(10万人に1.5~2人)と少ないです。欧米では人口10万人に15~20人と10倍ほどの発生率です。
男性の胃がんや女性の乳癌は年間80000人ほど発生しますから、それらの癌と比べるとかなり稀と言えますね。
悪性黒色腫はとてもこわい皮膚癌というイメージがあります。なぜなら、以前は良い治療法が無く、生存率がとても低かったからです。
現在は色々な治療法が開発されましたので、以前のような不治の病では無くなっています。
ですが、進行してしまうとやはり皮膚癌の中では非常にたちの悪い癌と言えます。
ダーマスコープという拡大鏡で診断が出来る様になり、早期診断の正確性も上がっています。早期診断できれば、完全に切除することでほぼ完治します。
大きさや形などが変化していくなど、普通のホクロと様子が違いましたら、お近くの皮膚科か形成外科に受診して下さい。

2019年1月20日美容皮膚科レーザー, 手術, 皮膚腫瘍

Posted by 中野 貴光