αリポ酸ナノカプセルクリーム

αリポ酸とは?

αリポ酸はチオクト酸とも呼ばれ、牛・豚の肝臓・心臓・腎臓や、ほうれん草、トマト、ブロッコリーなどに極少量含まれる物質です。
ヒトの体内でも合成されますが、加齢と共に減少していきます。
水にも油にも溶ける物質であり、体内の隅々まで届き、活性酸素を除去します。
ビタミンCやE、コエンザイムQ10等のその他の抗酸化成分も再活性化させる効果があり、細胞の老化を予防するアンチエイジング効果が期待されています。

αリポ酸ナノカプセルとは?

αリポ酸は抗酸化力が非常に高いため、クリームなどの外用剤に配合することで抗炎症作用、メラニン色素排出作用、コラーゲン・ヒアルロン酸産生の増強が期待されます。
しかし光や熱で変化しやすく、硫黄臭を発するようになるためクリームなどにすることが困難な物質です。
当院のαリポ酸クリームは、ナノカプセルと呼ばれるカプセル化技術を用いて直径約8nmの極小の球状カプセルに入れることにより安定化させると共に、皮膚内に浸透しやすくなっています。

αリポ酸ナノカプセルクリームの効果

実験によって、以下のような効果が認められました。

  • ヒアルロン酸産生量の回復
    皮膚は紫外線を浴びると肌の保湿成分であるヒアルロン酸の産生が著明に減少します。
    αリポ酸ナノカプセルクリームを用いる事で、真皮・表皮共にヒアルロン酸の産生減少が食い止められました。
    ナノカプセルではない、同濃度の市販のリポ酸配合化粧品(リポ酸濃度0.01%)ではわずかな回復のみとの結果もあります。
  • 線維芽細胞の増殖
    線維芽細胞とは、真皮の中でコラーゲンやヒアルロン酸の産生に関わる細胞です。
    加齢と共に線維芽細胞が減少することが、肌の潤いや張りが失われシワ・たるみが出てくる大きな原因です。
    αリポ酸ナノカプセルクリームを用いる事で、線維芽細胞の増殖が促されます。
  • シワの改善
    目尻部分にαリポ酸ナノカプセルクリームを16週間朝晩使用した結果、目尻の小じわの著明な改善が認められました。
  • たるみの改善
    αリポ酸は脂肪細胞や筋細胞の分化誘導にも関わるとされています。
    長期間の使用によって、マリオネットラインのたるみなどが改善されました。
  • 肝斑などの色素沈着の改善
    強力な抗炎症作用があるので、刺激によって色素が濃くなる肝斑や、レーザーなどの治療後の炎症後色素沈着の予防・治療効果が期待されます。
    αリポ酸ナノカプセルクリームを8週間使用したところ、約75%の患者さんに著明~やや改善の効果が見られました。

αリポ酸ナノカプセルクリームによって、全ての患者さんに同じように効果があるわけではありませんし、シミや肝斑に対する効果は、「肌の漂白剤」とも呼ばれるハイドロキノンの方が高いと考えられます。しわに対する効果も、ビタミンAの誘導体であるトレチノインの効果の方が高いと考えられます。
しかし、ハイドロキノンはアレルギーのある方もいらっしゃいますし、
トレチノインは反応に個人差があり、肌荒れなどがあると反応が強く出て赤みや皮剥けがでる事があります。
αリポ酸は人体にもともと存在する物質であり、アレルギー反応などの心配はほとんど無いので、ハイドロキノンやトレチノインが合わない方でも安心して使用することが出来、肌質改善が期待できます。
当院では、お肌の状態や肌質に合わせてトレチノイン・ハイドロキノンのクリームとαリポ酸ナノカプセルクリームを使い分けております。

2020年2月9日美容皮膚科シミ, シワ, 美容, 美白

Posted by 中野 貴光