異所性蒙古斑(いしょせいもうこはん)

異所性蒙古斑(いしょせいもうこはん)は薄くなるから、すぐには治療をしなくて良いと言われることも多いでしょう。
色々な考えかたがあると思われますが、当院ではレーザー専門医小児形成外科分野指導医として積極的にレーザー治療を行っております。
異所性蒙古斑の治療は保険適応です。

異所性蒙古斑とは?

真皮にはメラノサイトというメラニン色素を産生する細胞が存在しないのが普通ですが、日本人など黄色人種では、大部分の赤ちゃんで、お尻から背中にかけて、真皮にメラノサイトがみられます。そのため、赤ちゃんのお尻から背中にかけて青アザがあり、これを蒙古斑といいます。蒙古斑は2歳頃までは青色調が強くなりますが、その後徐々に薄くなり、10歳前後までには大部分(96~97%)が消失します。
しかし約3%が成人になっても残り、その多くは直径2cm程度の円形の青色斑で、持続性蒙古斑と呼ばれます。
また稀に腕や足、お腹や胸などに蒙古斑が生ずることがあります。このような場所にできる蒙古斑は、異所性蒙古斑と呼ばれ、通常の蒙古斑と同様に徐々に薄くはなりますが、特に色の濃いものは完全には消失しないケースが多く見られます。

何故青いの?

実は、異所性蒙古斑の青い色もメラニン色素の色でシミの茶色い色素と同じものです。
一般的に言われるシミは表皮のメラニン色素の色で茶色く見えますが、異所性蒙古斑では表皮より深い真皮の中にメラニン色素があります。
海の色が深さによって違う色に見えるのと同様に、深さによって色が違って見えるのです。

経過と治療法は?

おしりの蒙古斑は学童期にほとんどが消えてしまいますし、下着で隠れる部分は特に治療は不要でしょう。
異所性蒙古斑は美白剤などの軟膏は効果がなく、特に色の濃いものや、手などの露出部にあるものはレーザー治療を行うことを検討します。当院ではQスイッチルビーレーザーという機械を用いております。
保険治療の場合、1度で消えない場合には3ヶ月以上の期間を開けて再度治療を行います。

治療の時期は?

異所性蒙古斑は薄くなる可能性が高いので、10歳頃まで待ち、それでも消えなかったら治療を行うという考え方もあります。
薄くて消える可能性が高い場合には無理に治療をする必要はないでしょう。
レーザーを専門とする医師の中でも様々な意見がありますが、当院では濃くて残りそうな異所性蒙古斑には0歳児から積極的に治療を行っております。

何故早いほうが良いの?

当院で0歳児での早期治療をすすめるのには勿論大きな理由があります。

①範囲が小さく済む

異所性蒙古斑をはじめとしたアザは成長と共にまわりに広がるものではありませんが、身体が成長するとその分皮膚が伸びて大きくなります。
例えば赤ちゃんの手の甲に1cm×1cmのアザがある場合、手の大きさが3倍に伸びたら3cm×3cmの大きさ、つまり9倍になります。
早い時期ですとレーザーを当てる範囲が小さく済みますので、治療の痛みや時間も少なく済みます。

②とても効きやすい

赤ちゃんは肌が薄く、まだあまり日焼けをしていないので真皮のメラニン色素にレーザーが届きやすく、治療の効果が出やすくなります。
弱い出力でも高い効果が出るので、合併症のリスクも低く抑える事が可能です。
表皮にメラニン色素がなければかさぶたにもなりませんので、ガーゼ保護などの後療法がほとんど不要になるケースもあります。

薄くなるのを待つと小学生や中学生になりますが、外遊びや習い事、部活で日焼けしていることも多く、レーザーを行う前にまずしばらく遮光をする必要が出るなど、治療が困難になるケースが多く見られます。

また、治療後のUVケアなども習い事や部活の兼ね合いで難しくなることも多く、炎症後色素沈着などがおこりやすくなります。

③嫌なことを忘れてくれる

実は、とても大きな理由がこの3番目です。
異所性蒙古斑のレーザー治療は、麻酔クリームや麻酔シールを貼っても皮膚の深い所の治療のため痛みを伴います。
1歳を過ぎると痛みを覚えてしまい、治療に非協力的になる事が多いのですが、赤ちゃんはすぐに忘れてくれます。
レーザー治療中は当然泣きますが、治療が終わってお母さん・お父さんが抱っこしたとたんにすぐに痛みを忘れて笑顔になることもあるくらいです。

これらの理由により、当院では出来るだけ早期にレーザー治療を開始します。
新生児はかなり皮膚が弱いので治療は行いませんが、3ヶ月目ぐらいから治療を開始するケースが多くなります。
レーザー治療はまず一度受診してからレーザー治療の方針決めと予約を行う形になりますので、お子さんの異所性蒙古斑でお悩みの場合には早めの受診をお薦め致します。