包括同意について

当院では「説明と同意」に、2つの方法を用いています。
第1は「個別同意」です。皆様にご説明し、口頭または書面で同意を確認させていただきます。
第2は「包括同意」です。一定の基準の元に「個別同意」のような手続きを経ないで同意を頂くのが、この「包括同意」です。

以下に示す事項については、「包括同意」(この文書)によって、患者の皆様がそれに同意したものとみなします。

  1. 一般診療について
    診療する際に特に個別の説明が必要であると認められた医療行為については原則として文書による同意をいただきます。
    通常の診察や心身への負担が少ない検査・処置(採血や点滴留置、通常の投薬、注射、イボの治療、魚の目・たこの治療、カメラ等による患部撮影等)、一般的に医学的に必要な処置(創傷の処置、抜糸、抜鈎、化膿した部分の皮膚切開、傷の縫合、簡単な壊死組織除去、爪切り等)については、改めて説明し文書による同意をいただくことなく診療の一部として実施致します。
    上記の診療行為でも、予期せぬ合併症を伴うことがあり得ます。そのような場合は、合併症の治療は通常の保険診療として行われます。
  2. 他の医療機関等への診療相談について
    当院では適切な医療の提供のため、他の医療機関や医師等に診断や診療のアドバイスをお願いすることがあります。
  3. モニターカメラについて
    院内には防犯上の理由により、モニターカメラを設置しています。
  4. 検査、画像の使用について
    血液・病理検査などの検査検体、CT・X線写真などの医用画像、症例写真等を研究・教育目的で、個人情報を除いた上で使用することがあります。
    また、治療前後の比較写真を、個人情報を除いた上で院内での説明に使用することがあります。
  5. ピオクタニンブルー溶液の使用について
    形成外科の手術では正確な手術のために細かいデザインが必要な場合が多く、マーキングにピオクタニンブルー溶液を用いてデザインを行う方法が一般的に用いられています。
    ピオクタニンは、従来安全とされており、創部の消毒や内視鏡での病変の染色などを含め、幅広く医療現場で使用されてきた色素ですが、海外の動物実験で経口摂取した際に遺伝毒性や発がん性のリスクがあるとのことで、WHOにより食品中に残留することを防止すべきとされました。
    しかし、医療現場では一時的に局所使用するだけであり、当クリニックでは下記の理由で使用を継続致します。
    ・皮膚の表面への必要最小限の使用であり、経口摂取ではなく、手術中にほぼ全てが拭き取り又は切除されるものであること。
    ・多くの医療機関で長年の使用実績があり、発がんなどの報告がなく安全な使用が見込まれていること。
    ・現時点では、同等に使用出来る代替品が存在しないこと。

上記については当院の規定に従って、適切に運用いたします。
包括同意は当院の診療に必要ですので、ご理解とご協力をお願いします。なお、同意については患者の皆様の自由意思によります。
この包括同意は申し出があればいつでも撤回(不同意)することができます。
疑問点やご質問がある場合には、遠慮なく院長までお尋ねください。
ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

Posted by 中野 貴光