やけど(熱傷:ねっしょう)

お湯やアイロンなどの熱いもの、あるいは極度に冷たいもの、化学薬品などが皮膚に触れると皮膚がダメージを受け、やけど(熱傷:ねっしょう)になります。
皮膚は細菌などから身体を守るバリアです。やけどになるとバリア機能が失われるので、感染症をおこす危険があります。
やけどはダメージの深さにより、4つに分類されます。

度熱傷

表皮にとどまっているやけどです。日焼けで赤くなるのは度熱傷です。それほど熱くないお湯をかけたりしたときにもなります。
症状としては赤み、痛みが中心で、水ぶくれはできません。痛みの症状に比べて皮膚のダメージは軽度です。特に何もしなくても綺麗に治ります。痛みに対して、軟膏治療や痛み止めの内服を行います。

浅達性度熱傷(度SDB)

真皮の中でも、浅い層にとどまっているやけどです。症状としては赤み、痛みの他に水ぶくれができます。皮膚の付属器(毛穴や汗腺)などが保たれているので、その部分から皮膚が再生します。手術をしなくても通常は2週間以内に治ります。しばらく炎症後の色素沈着をおこすことがありますが、2週間以内に治った場合には傷跡はほとんど残りません。
水ぶくれが破れると細菌感染を併発することもあります。細菌感染をおこしたり乾燥させてしまったりすると、次の深達性度熱傷になってしまう可能性があるので適切な治療が必要です。
SDBとはsuperficial dermal burnの略です。

深達性度熱傷(度DDB)

浅達性Ⅱ度熱傷よりも深い層まで及んだやけどです。皮膚のダメージが強く、痛みを感じる神経もダメージを受けるため、かえって痛みも少なくなります。皮膚の付属器(毛穴や汗腺)もほとんどダメージを受けているため、傷の治りにも時間がかかり、2週間以上かかります。2週間以上かかった場合には傷跡が残ります。広い範囲の深達性度熱傷では手術が必要になる可能性もあります。度の浅いやけど(SDB)か深いやけど(DDB)かで、治りやすさや傷跡が残るかどうかが異なります。熱傷の治療ではこの二つをしっかりと見分ける診断能力が必要です。また、DDBとSDBの境界領域の深さの場合には正しい治療をするか否かで最終的にどちらになるかが決まっていきます。やけどは専門医に見せることを強くお薦めします。
DDBとはdeep dermal burnの略です。

度熱傷

皮膚のダメージが真皮を超えて及んでいる状態です。皮膚の付属器(毛穴や汗腺)もすべてダメージを受けていますから、やけどになった皮膚自体には傷を治す力がなくなり壊死してしまいます。壊死した皮膚は取り除かなくてはなりません。範囲が狭ければ軟膏治療や切除して縫合するなどで治すこともできますが、範囲が広ければ皮膚移植などの手術が必要です。

参考:熱傷専門医の人数

熱傷専門医は人数が少なく、最も多い東京都でも60人のみです。
千葉・埼玉はそれぞれ16人。神奈川では23人です。
(平成30年現在の人数)

2019年1月20日皮膚科ケガ, 外傷

Posted by 中野 貴光