アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎とは

アトピー性皮膚炎とは、良くなったり悪くなったりを繰り返す、かゆみのある湿疹を主な病変とする皮膚の病気です。
不治の病でもなければ治療方法のない難病でもありません。
世界中で多くの患者さんがいるアトピー性皮膚炎の治療は研究が進み、かなり進歩しております。
疾患を理解し、正しいスキンケアと根気強い治療をしていただければ、改善させることが可能です。
自己流の治療や科学的根拠の無い民間療法を行ったり、症状が改善したら治療を自己中断することを繰り返してしまうことは、悪化や再燃の原因となります。信頼できる医師を見つけて、治療を継続して下さい。

アトピー性皮膚炎の特徴

1.かゆみがある
2.典型的な皮疹、おとなでは肘のくぼみ、膝のうらなどを中心に皮膚がざらざらと盛り上がった湿疹が出る
3.慢性で反復性、つまり良くなったり悪くなったりしながら、長く経過をとる

月齢・年齢によって症状が変化していくのも特徴で、乳児の場合は頭・顔に多く、それ以降は首、肘や膝など関節の曲がる部位にも広がっていきます。小児期に改善することも多いのですが、成人になっても続いたり、むしろ成人になってから発症することもあります。

アトピー性皮膚炎の原因

様々な要因が重なっていることも多く、原因が明らかでない場合も多いのですが、大きく分けて環境や外部刺激によって起きる外的要因と、健康や皮膚の状態などによる内的要因の2つがあります。外的要因が原因となり、内的要因によって悪化するというのが一般的です。

外的要因

外的要因としては花粉・ハウスダスト・細菌・真菌・金属・食べ物・化学物質・薬剤などがあげられます。
皮膚炎で肌のバリア機能が低下していると、外的要因の影響を受けやすくなります。アトピー性皮膚炎の治療では肌の状態を良く保つことが最も重要です。

内的要因

内的要因としては遺伝が大きく関係すると言われています。日本人のアトピー性皮膚炎の患者さんの27%が遺伝的に皮膚の保湿因子(フィラグリン)の遺伝子の異常があることもわかってきております。つまり、皮膚が乾燥することによって、外的要因の影響を受けやすくなるわけです。

アトピー性皮膚炎の治療

皮膚が荒れたままでいると、そこからアレルゲンが入りこみ、ますますアレルギー体質になってしまう可能性があります。そのため、小さいうちから「病気になりにくい健康な肌」を作っていくことが大事です。
治療は保湿剤、ステロイドの塗り薬(ローション、軟膏、クリーム)、タクロリムス軟膏の塗り薬を中心とし、アレルギーを抑える飲み薬も併用することがあります。アトピー性皮膚炎では、花粉などの環境抗原、ダニやハウスダスト(ホコリ)のアレルギーを合併することが多いため、生活環境を整えることも重要です。ステロイド外用剤については、誤った情報を抱えてしまっている方もいらっしゃいますが、適切に使用すれば、副作用の心配もほとんどなく適切に治療することができます。痒みなどの症状がおさまっても炎症が完全におさまるまでは再発しやすい状態になっています。保湿剤を中心に肌の状態を保ちながら、少しずつ段階的にステロイドの塗り薬やタクロリムス軟膏の量を減らしていきます。
一般的に、アトピー性皮膚炎では症状を治める塗り薬の治療がメインです。しかし、実は栄養素も重要な要素です
アトピー性皮膚炎などの患者さんではダメージを受けた肌の修復に大量に消費されるため、亜鉛不足やビタミン欠乏になりやすくなります。亜鉛やビタミンが欠乏していると、皮膚炎が治りにくくなります。当院では、亜鉛の欠乏が無いかを採血で確認することをお奨めしております。欠乏がある患者さんにはサプリメントの内服をお奨め致します。ビタミンBもサプリメントの内服が良いでしょう。ビタミンBは尿ですぐに排出されるので通常のサプリメントの量では過剰摂取の心配はありません。
ビタミンに関しては、アトピー性皮膚炎の患者さんではビタミンDも欠乏が多いなどの研究結果もありますが、ビタミンDは体内に蓄積するので過剰摂取も良くないとされています。マルチビタミンなどで適量を補充することをお奨め致します。

2019年1月18日皮膚科アレルギー, かゆみ, 湿疹

Posted by 中野 貴光