[教えて!中野先生] レーザーってなに?

レーザーってよく聞くことばですよね。でも、レーザーって何?って言われて答えられる人はほとんどいません。
でも、何でも理論を知っているって理解するのに大事ですよね!

レーザーって何?

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さとみさん

レーザーってよく聞く言葉ですけど、実際どんなものなんですか?放射線とは関係ないんですよね?
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中野院長

レーザーは身近でもよく使われていますよ。有名なのはCDやDVDでも使われています。会議のプレゼンや学会発表などで使われるレーザーポインターもレーザーですよね。

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さとみさん

CDで使われているのは初めて聞きましたが、レーザーポインターは使ったことがあります!
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中野院長

太陽、電球、レーザーなど、あらゆる光は、電磁波というものの一種です。放射線も電磁波の一種ではありますが、医療用や家庭用のレーザーで使われる光は放射線とは全然違うので大丈夫ですよ。ところで、レーザーって何語かしっていますか?

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さとみさん

英語じゃないんですか?もしかしてラテン語??

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中野院長

実はレーザーは略語なんです。Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation(輻射の誘導放出による光増幅)の頭文字をとったものです。

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さとみさん

”輻射の誘導放出による光増幅”なんて言われても全く意味がわからないのですが・・・。

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中野院長

全く意味不明ですよね。実は、アインシュタインが1917年にレーザーの基本的理論を発表したのです。こうやったら、このような光がでるはずっていう理論からつけた名前がLASERという略語です。つまり、レーザーは実際に発明される前に、アインシュタインが理論を考えたのです。

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さとみさん

アインシュタインってあの、”あかんべーの人”ですか?相対性理論のアインシュタイン?
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中野院長

そのアインシュタインです。実際にルビーレーザーの作製に初めて成功したのが1960年ですから、理論が出来てから実際に開発されるまで43年も経っているんですね。ちなみに、ルビーレーザーというのは、シミや青あざ(太田母斑や異所性蒙古斑)、茶アザ(扁平母斑)の治療に今でも使われているんですよ。

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さとみさん

アインシュタインってすごいですね・・・。まさに天才・・・。

レーザーの仕組み(知らなくても大丈夫!)

レーザーというのは、どの様して出来る光なのでしょうか?
全ての物質は、原子とよばれる小さな粒子の集まりで出来ています。原子は中心に原子核をがあり、その周りをいくつかの電子が取り巻いています。通常は、電子が安定した軌道を回っている”基底状態”という状態です。ところが、原子にエネルギーを与えると、電子がより外側の軌道を回るようになります。その様な状態を”励起状態”といいます。ドラゴンボールの孫悟空が「か・め・は・め」と”気”を貯めているところを想像して下さい。そして、電子が元の位置に戻るときに光がでます。それが、レーザー放出。そう、悟空のカメハメ波ですね。レーザーの場合には、光がでると、その光がとなりの原子にあたります。その刺激であたった原子からも光がでます。そのとき、重なって一緒に光が出るので、1+1=2倍の強さの光になるのです。その現象は”誘導放出”と呼ばれます。
そうして次々に誘導放出を繰り返し、2+1、3+1・・・と強いパワーの光になっていくのです。

励起状態のイメージ:エネルギー(気)が溜まっています


レーザーの放出イメージ:エネルギー(気)をレーザー光(カメハメ波)として放出
(C)バードスタジオ/集英社

レーザーの種類

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中野院長

医療用のレーザーといっても実は色々な種類があるんですよ
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さとみさん

シミをとるのはレーザーですよね!
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中野院長

シミを取る方法は色々あり、レーザーもその1つです。でも、シミをとるレーザーといっても実は様々な種類があるんですよ。
現在、シミをとるのに使われるレーザーは、ルビーレーザー(波長694nm)、アレキサンドライトレーザー(波長755nm)、Nd:Yagレーザー(波長1064nm)などがあります。

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さとみさん

どう違うのですか?
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中野院長

レーザーなどの光は、水に吸収される波長までは基本的に波長が長いものの方が深くまで届くのです。でも、その反対に、メラニン色素を破壊する力は弱くなります。ルビーレーザーよりも、Nd:Yagレーザーの方が深くまで効くわけです。でも、シミのメラニン色素は浅い層にあるから、それほど気にしなくても大丈夫。
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中野院長

血管腫や毛細血管拡張などに対しては、色素レーザーという方式で波長595nmのレーザーが使われます。この波長では赤血球の中のヘモグロビンという色素に特に吸収が良いため、血液に熱を与えて血管にダメージを与えることが可能です。現在一般的にシミに対して使われるルビー、アレキサンドライト、Nd:YAGレーザーの波長ではヘモグロビンにあまり吸収されないため、血管のダメージは気にしなくて大丈夫。
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さとみさん

血管に効くレーザーはシミには効かないのですか?
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中野院長

実は、メラニン色素にも吸収されます。なので、あまり日焼けしていると血管に効果が出にくくなります。シミや日焼けのメラニン色素は毛細血管よりも浅い部分にあるためそこに熱が伝わると余計なやけどをさせてしまう可能性があります。その為、現在血管に対して一般に使われるVbeamレーザーでは冷却ガスを噴射して皮膚表面を保護します。冷やしたら熱が伝わらない気がしますが、メインターゲットの血管までは冷やされないので大丈夫なのです。

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中野院長

冷却ガスは痛みを取るためではなくて、皮膚表面を守るため。シミを取るレーザーでは使わないわけですね。アレキサンドライトレーザーは脱毛でも使いますが、その場合には、メインターゲットが毛根なので、冷却ガスを使って皮膚表面を保護します。同じアレキサンドライトのレーザーでもシミで使う場合とは全然違うのですよ。

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さとみさん

ホクロをとる時にはどの様なレーザーを使うのですか?
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中野院長

ホクロをとるときにも、小さなホクロの場合にはシミをとるときと同じレーザーを使う先生もいますね。ホクロの黒い色もメラニン色素ですから、シミを取るレーザーを使って色が薄くはなります。でも、ホクロの場合には、シミのようにメラニン色素が増えているだけでは無く、母斑細胞という普通の皮膚の細胞とは違う細胞があることで色が出たり盛りあがったりしています。母斑細胞自体を破壊するにはシミをとるレーザーではちょっと役不足。そこで、一般的には炭酸ガスレーザーというものを使います。

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さとみさん

炭酸ガスレーザーってどの様なレーザーなのですか?
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中野院長

炭酸ガスレーザーは10,600nmという、長い波長のレーザーです。この波長のレーザーは水に反応します。細胞の中には水分が沢山入っていますから、表面から削っていくことになります。血液も水分いっぱいですから、止血しながらホクロなどの小さなできものを削ることが可能なのです。

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さとみさん

光が水に吸収されるというイメージがわかないのですが・・・。
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中野院長

電子レンジで水が温められますよね。電子レンジではマイクロ波という長い波長の電磁波を使います。レーザーも電磁波でしたよね。電子レンジと同じように水分を温めて細胞を破壊すると考えてみて下さい。
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さとみさん

確かに、電子レンジで水が温められますよね!納得です!
医療用レーザーの原理や種類について一般向けに説明しているホームページってほとんど無いですよね。
わかりやすく説明するために、細かい部分は省いたりなるべく専門用語を少なくして解説してみました。
これからも皆さんが疑問に思っていることをわかりやすく説明していこうと思います。

 

 

 

2019年6月8日教えて!中野先生シミ, レーザー, 美容

Posted by 中野 貴光