シミ治療と炎症後色素沈着

炎症後色素沈着とは

炎症後色素沈着とは何らかの刺激によりメラニン色素が増殖することです。
日焼けのあとが茶色くなるのも炎症後色素沈着の一種です。
レーザー治療、シミ治療、手術などあらゆる施術において、炎症後の色素沈着が起きる可能性があります。
炎症後の色素沈着は肝斑のある方はほぼ必ずおこるとされていますが、肝斑以外の方でも日本人では30~40%の方が何らかの炎症後色素沈着を起こします。
簡単な目安としては、日焼けの後に赤くならずに黒くなる人は炎症後色素沈着を起こしやすく、赤くなるが黒くならない人は起こしにくいと言えます。
又、もともと色黒の人は起こしやすく、色白の人は起こしにくいとも言えます。
しかし、炎症後色素沈着が出るか出ないかは様々な要素が重なるので確実な予測は出来ません
炎症後色素沈着が出る場合も、強く出る人、弱く出る人さまざまです。
炎症後色素沈着はしっかりとUVケアをすることで、短くて2~3ヶ月、長くて半年~1年で徐々に薄くなりますが、UVケアだけでは薄くならないこともあります。

しみ治療と炎症後色素沈着

シミ治療において、炎症後色素沈着は大きな課題です。
シミの治療後に炎症後色素沈着が強くでた場合、「効果が無かった」「治療をして無駄だった」と思いがちですが、必ずしもそうではありません。
シミと呼ばれるものにも色々な種類がありますが、いわゆるシミ(老人性色素斑といいます)は、皮膚の“良性の腫瘍性変化”とされており、表皮のケラチノサイトという表皮角化細胞の腫瘍性の変化です。わずかですが盛り上がった感じのシミがあるのは表皮に変化があるためです。(※1)
対して、炎症後の色素沈着は単なるメラニン色素の増殖です。皮膚では色の変化のみが起こります。
どちらも色合いとしては同じように見えますが、実は別物なのです。
炎症後色素沈着は、ビタミンCやトラネキサム酸、飲む日焼け止めを飲んだり、美白作用のあるローションやクリームを塗ることで薄くしやすいのですが、シミ(老人性色素斑)は腫瘍性の変化ですから、ビタミンCやトラネキサム酸、美白剤の使用ではなかなか薄くなりません。

炎症後の色素沈着が出る場合も、治療後どのくらいの時期に、どの程度出るかが今後の治療方針の決定に重要な情報ですから、当院では2週間後、1ヶ月後に受診して頂き、専用の機器でメラニンの状態を評価していきます。また治療の2週間後から美白剤の使用を開始しています。
レーザーフォト・IPLによる治療後に炎症後色素沈着が強く出ることは、体質によって避けられない場合がありますが、決して治療が無駄に終わったわけではありません。
自分の肌質を知ることは、その後のシミの治療に対する方針をきめる上で重要な要素となりますから、当院では経過を見ながらしっかりと治療を行っていきます。

※1 皮膚が盛り上がった状態のものでは、ホクロや脂漏性角化症などもあり、拡大鏡や特殊なカメラを使った正確な診断が必要となります。