その粉瘤、本当に良性ですか?

粉瘤(ふんりゅう)といわれた腫瘍、本当に粉瘤でしょうか?

粉瘤は皮膚腫瘍の中で最も多く、毎日のように出会う腫瘍です。

診断は比較的容易であり、誤診はほとんど無いと思います。しかし、私も長い形成外科の経験の中で2例だけ粉瘤と診断されて悪性腫瘍だった症例に出会ったことがあります。

頚部の小腫瘍の症例

1例目は頚部の1cmほどの腫瘍で、皮膚と癒着があり丸い形をしていたため粉瘤と思われました。しかし、切除してみたら、明らかに粉瘤と違います、怪しいと思い緊急で迅速病理検査に出したら悪性リンパ腫という悪性のできものでした。他の部分には無く、皮膚への転移ではありませんでした。とても珍しい、皮膚単発の1cmの悪性リンパ腫で超早期に発見出来ました。血液内科で精密検査を行いましたが、他に転移している様子は無く、手術して勿論大正解でした!

背部のひょうたん型の腫瘍の症例

2例目は背中で3cm大の2個の腫瘍が連なっており、それぞれ中央部分が皮膚と付着しているひょうたん型の腫瘍でした。
粉瘤の可能性が非常に高いと思われ、切除を行いました。しかし、手術中の所見は明らかに粉瘤と違います。こちらは病理検査でDFSP(隆起性皮膚線維肉腫)という悪性腫瘍でした。病理検査で確定診断後に追加切除を行いました。転移をすることはほとんど無い悪性腫瘍ですが、治療は切除しかないため勿論手術して正解でした。

粉瘤と思われても実は違うこともある

どちらも、経験豊富な皮膚科医や形成外科医でも粉瘤と診断するだろうと思われるケースです。画像検査をしたら、2例目は粉瘤以外の診断になったかも知れません。しかし、検査は予約で再来院が必要であったり、医療費がかかるので希望しない患者さんも多いのです。しかし、99.9%の確率で良性腫瘍と診断しても、病理検査をするまでは決して100%ではありません。逆に画像検査等で悪性を強く疑っても良性の事も多いのです。

皮膚の悪性腫瘍は小さなうちにしっかりと切除すればほぼ完治します。

心配でしたら、経験の多い形成外科医か、皮膚外科医に切除をお願いして下さい。

粉瘤(ふんりゅう・アテローム)

粉瘤は手術すべきか?手術すべき3つの理由

2019年4月8日ブログ

Posted by 中野 貴光